軸先の仕事

軸先の仕事

「軸先」という言葉を知っていますか?

「じくさき」掛け軸の一番下についている掛け軸を巻きつける棒(軸木)の両先端に付ける装飾の事です。

この仕事を受けるまでは掛け軸と聞くと、とても遠い世界の話で特殊な業界というか足を踏み入れる機会すら、なかなかないようなイメージでした。縁があってこの仕事をさせてもらって私のように掛け軸のの字も知らない人にも陶器の軸先の仕事を記録に残して少しでも目に触れたらという思いでブログに書きとめたいと思います。

軸先でよく使われるのは
陶磁器、唐木(黒檀や紫檀のような固くて重厚感のある木など)、竹、漆塗りの物、水晶、ガラス、金属、象牙、動物の角などです。その中で生業としている陶を使った軸先の話をしたいと思います。軸先の大きさは大体6分(18mm)~1寸(約3cm)が多いようですが今回は7分のものを制作。二種類の土と3種類の技法を使った物を作ります。

筆者が軸先に使う土と技法は以下の物です。
一つ目はオリジナルでブレンドした白土(ほんのりアイボリー色)に下絵を描き釉薬は半マット
二つ目は萩土(濃い肌色のような色)に化粧土(ソフトクリームのような白)を施し下絵。釉薬は半マット
三つ目は色植縄紋、釉薬は半マットです。

焼き物の作業工程は大まかに
作り→乾燥→素焼き(窯焚き)→下絵→釉薬掛け→本焼き(窯焚き)→上絵→上絵焼き付け(窯焚き)→検品、ヤスリかけです。

作りのポイント、注意点
作りの作業で最も重要な事は収縮率を考えて作りたい物の大きさを決めるという事です。私が現在使用している土を焼き上げると、一割二分~一割三分くらい小さくなってしまいます。さらに細かく言うと土の種類、土の含水率や窯焚きの火加減により微妙に変わってしまいます。作品が大物や小物であるかも左右されます。縦サイズ、横サイズも微妙に収縮が違います。勘や経験が重要になってきます。作品を制作する際は触り過ぎない事も重要です、土が疲れてコシが無くなるのと手の熱で水分が少しづつ蒸発して固くなってしまうからです。上手く形にならないときは一度作業を止め、作品を濡れフキンで覆って土を休ませます。

焼き物を始めたい方はこの事に注意し、一度作品を焼いて収縮率を把握されると良いでしょう。

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